鉄と自然素材

2016.09.25

鉄と自然素材

意外と鉄骨造のリクエスト・提案の多いica associatesです。鉄の持つ無骨な強さと併せ持つ切れ味に多くの魅力を感じます。人の手により作られた鉄鋼材は細かな寸法バリエーションを持つ部材のラインナップを揃えていて、設計者はその部材を、構造的に、コスト的に、バランスよく配置することによってデザインの軸を構成することになります。

それらの部材は時に、設計意図に合わせて寸法を与えられて、加工されて現場に用いられます。それによって、空間にふさわしい鋭さを加えたりすることができ、より鉄らしい雰囲気を大きく感じることができるのです。

堅く冷たいイメージもある鉄ですが、その魅力を残しながら、一味違った空間を彩ることができます。例えば自然素材です。人工物の極みといえる鉄に自然素材のムラが実によくマッチングします。鉄にはかなりの懐の深さがあり、自然の持つ風合いを損なうことなく共存し同化していきます。これが僕が鉄に惹かれる最も大きな原因の一つです。エッジが効いていていて突っ張った感があるくせに、他の存在を認め、活かし、受け入れてしまう心の広さのような感じに魅力を感じているんでしょうね。

実は、個人的にもicaの中で、どちらかというと鉄骨造の設計が多いのも、基本的に鉄が好きだからなんでしょうね。

一般的な木造に比べると建築費は増加してしまうことは間違いありませんが、それだけの魅力があることも事実です。一度は真剣に鉄骨造での建築計画を検討されてみてもいいのではないでしょうか?