志摩市「迫子の家」本設計編


海の日なので志摩の別荘の話題を

2021.07.22

志摩市「迫子の家」本設計編

先日、現況調査に伺いました志摩市の別荘リノベーション計画の現状図面をベースに基本構想を終え、ようやく詳細部分を検討をしている段階です。

以前のブログでもご紹介しましたが、築49年のアーチ型木造建築なので、私達が普段行っている建築と異なり、若干手慣れていない分、検討作業に時間が掛かります。

この別荘のテーマは、「慌ただしい都会からエスケープをし、週末だけは人間らしく五感で感じる暮らし」を過ごす空間を提供する事です。

ですので、弊社では当たり前の仕様ではありますが、普通の一般住宅ではあまり使わない仕上げや仕様を随所に盛込んだ計画としました。

例えば、別荘なので当然といえば当然ですが「薪ストーブ」を導入し、床はイタリア製タイルを敷き詰め、暖炉の背面と厨房(本格的な厨房機器を入れる計画)の壁面は、ヴィンテージテイスト満載の渋い煉瓦タイルをスペック。

建物の妻側は海に開けた大きな開口部を設け、室内から刻々と移り変わる海と空の豊かな表情が楽しめるようにしました。

水周りは浴室、洗面、トイレと一体空間となったオールインワンスタイル。浴室からも海が眺められ、ゆったりと浴槽に浸かってもらえるようシャワー(オーバーヘッドシャワー)や棚なども気を使った仕様にしました。床と壁はベージュ色のリゾート感溢れるテクスチャをチョイス。

2階はベットルームのみです。セミダブルベッド2台とナイトテーブルを置いたシンプルなホテルスタイルとしました。背面壁には壁掛け暖炉(ガス製)を設置し、写真などを飾るフレームアートを提案しました。また、床はフカフカの絨毯をグリッパー工法で仕上げます。

延床面積でも、たった15坪しかないとてもコンパクトな建物ですが、小さいだからこそ考え抜かないとならない事は沢山あります。

その作業は、まるで古い車をレストアしているような感覚でしょうか。この古い朽ち果てる直前の建物に新たな息吹を与え、再び第二の一歩を踏み出すであろう建物を真剣に考えています。この建物が誕生した49年前よりも美しく、感動的な内容にしたいと思います。

この建物のある志摩市や近くの南伊勢町には、このように朽ち果てるのを待っているような古い別荘が沢山あります。もしこのブログをお読みになられて、興味のある方はご連絡下さい。相性が合えば(色々な意味で)再生に適した建物のセレクト、プランニング、工事会社のご紹介など一貫した流れでご提供致します。

是非、「自分らしさ」を取り戻せる、素敵なウィークエンドハウスをお持ちください。またブログにてご報告致しますので、どうぞお楽しみ。