豊かな緑が広がる閑静な住宅地にある「長久手の家」
家族構成の変化もあり、古くなったご実家の建て替えの計画で弊社の建築相談にいらしていただいたのがオーナー様との出会いです。敷地を見に行き感じたのは、西陽と大きな砂場のグランドがあることによる対策。
家族構成としては祖母とご夫婦とお子様の4人家族の家です。完全分離型の二世帯住宅として計画がスタートしました。分離型二世帯住宅のメリットとしては、それぞれが気を遣うことが少なく暮らせることですが、逆に言い換えると距離感を感じてしまうこともあります。
今回の計画では、それぞれのライフスタイルを守りながらも、気配を感じたり、気軽にそれぞれのエリアに出入りできるように配慮をした計画としました。基本的に1階部分は祖母のエリア、2階とロフトは子世帯のエリア。部屋数やボリューム的に1階より2階の方が面積が必要になりますので、オーバーハングで2階の床面積を調整したデザインとなっています。
設計で最初からこだわったのが、軒の深さ。この建物は約1メートルの軒を出しており、オーバーハングの部分からだと約2メートル弱の深さがあります。軒の出を大きくすることにより外壁のダメージを抑えることができます。将来的に心配なメンテナンスのスパンを長くし、そのメンテナンスも軽微になるように材料も考慮しました。
内部の特徴は、2階LDKの4,100mmもある高天井です。サッシュの大きさもデザインから決めたのではく、冬に必要な陽光と夏の陽光の角度から求めた採光量のバランスからサイズを決定しました。
将来的に外せるタタミコーナーを設け、ハンモックをぶら下げ、LDKに隣接するロフトからそれらを見下ろせる。1階からの階段途中でリビングとガラス越しに繋げたりと、上記に挙げた気配、家族の一体感を感じる工夫を致しました。
キッチンはオーダーキッチンを採用いたしました。キッチンの窓からはサービスバルコニーに置いたグリーンが見え、2階リビングならではの眺望の良さ、パントリー収納、水周りへの動線などコンパクトになるように計画しました。
これからこの家が、家族の一員となり皆様の暮らしを守っていき、楽しい思い出を作ってくれると思います。今回、一生に一度の家づくりの設計監理という大役を担わせていただき本当にありがとうございました。これからも宜しくお願い申し上げます。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(名古屋)