場所は岐阜県山県市。岐阜県西部に位置し、この地名は山県と書いて「やまがた」と読み、山の方(山のかた、山の方面)を意味し、昔からこの地が山の方の集落であったことがわかります。今回の場所はそんな山間の、田畑の広がる長閑で豊かな自然に恵まれた閑静な住宅街です。そんな長閑な風景に違和感なく溶け込むよう意識したシンプルでナチュラルな住宅となりました。
たっぷり余裕を持った駐車場スペース奥に白い外壁にレッドシダーのルーバーがアクセントのなった外観、モルタル仕上げのアプローチを通り中に入ると、明るいタイル張りのエントランスを挟んで、右手に18畳の大きくゆったりとしたLDK、左手に7,5畳のリビングが広がります。そして玄関正面には室内と同じタイル仕上げを外まで延長させ空間に連続性を持たせています。
閉鎖的な外観と対照的に一歩室内に入ると開放的で光がたくさん差し込み明るい室内となっており、白を基調とした室内を一層明るくしています。その対照的な環境が暮らしに安心感をもたらしてくれます。玄関左手にはご主人の仕事場を兼ねたワークスペースを併設しています。シンプルな住宅であるからこそ、オーナー様のカラーが映えやすく、ご家族の成長とともにどのように住空間が変化していくのか楽しみでなりません。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(名古屋) 撮影: 加納準