富山県高岡市の新築建て替えの住宅です。コストを抑えた家ではありますがオーナーのM様のこだわりの詰まった家です。
とってもアクティブなオーナーのM様はご自身の足でショールームを幾つも巡って現物を自身の目で確認して吟味したり、建築中はイラストを何枚も描かれてイメージを伝えられたりと、積極的に家づくりを楽しんでおられる様子が印象深い方でした。
場所は、前田利長が築城した(1609年慶長14年)の高岡城の東に位置する、古くからの住宅密集地です。車一台がやっと通れる細い路地に面する敷地で、決して大きいとは言えないコンパクトな敷地ではありましたが、2階の天井が高いので、近隣の2階建て住居よりやや大きく、角を曲がると目印にされるほど存在感のあるものになり、深い軒のあるさながら別荘のような佇まいです。
大きく南北に張り出した屋根と、軒天は見上げると落ち着いたウォールナット色の木目が存在感を放っており、1階はそのまま玄関部分の壁面まで続きます。過度な装飾のないシンプルで落ち着いた家の顔とも言える玄関ポーチ正面部分は年齢を重ねたご夫婦によく似合い、玄関際に植えられた植栽の緑が映えるものになりました。
1階部分はプライベートスペース、2階にLDK、バスルームとなっています。2階の南側は全面大きな窓になっており、バルコニーへと続きます。開かれた窓からは室内にたっぷりと採光と風を取り込む気持ちの良い空間を作りました。その一角のグレーのタイル張り部分にはM様選りすぐりのペレットストーブを設置したので冬は炎を眺めながら暖かく過ごすことができそうですね。
今回はダイニングテーブルがキッチンの天板と一体型のものを採用。料理をされる側の床を少し下げ、さらに傾斜のある天井が空間に変化を持たせ、ゆったりとした広がりのある空間を作ることができました。アイディアも盛りだくさんのM様、これからM様仕様にどのように変化していくのか楽しみです。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(北陸)