東京都世田谷区の上野毛駅近くに建てられたGURITONOA。住宅やマンション、商店などが建ち並ぶ便利な場所にあります。「都内」として考えるとそう驚くことはありませんが、敷地面積は約16坪という狭小地です。
この小さい敷地に家族4人が快適に暮らす家が基本的なコンセプトとなりますが、私たち設計者が悩むポイントのひとつに第二種高度斜線という目に見えない法律のルール。地盤面から5メートル立上り、1.25角度の範囲内から建物がはみ出してはいけない法律です。それ以外にも道路斜線、狭小ならではの建蔽率、容積率の問題など…ひとつひとつ整理整頓しながら進めてまいりました。
私たちが出した答えは、1階は階段室を兼ねたコンパクトな玄関をセンターにし、水まりとマスターベットルームを振り分けた空間構成とし、2階は階段の途中からアクセスするキッチン・ダイニング空間。そしてそのフロアから4段上がるとリビングというスキップフロア構成。3階は個室3室とバルコニー、トイレを設け、家全体として4LDKと、コンパクトながらプライベートとパブリック空間の切り替えの出来る家となりました。
正面の外壁は、ラスモルタル下地のリシン吹き付けとし、場所的にも生活が覗かれないような閉鎖的でいてシンプルなデザインとなりました。
これからもお洒落で元気なT様らしい暮らしができることを祈っています。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(横浜) 撮影: 加納準