「コミチ」と題された建物は、その名の通り、道路から一枚の扉を開けると、まるで小路ようなアプローチがあります。また家の内部も小路にような細い路地的な廊下があり、設計者のイメージからそう名付けられました。
北側道路に面する敷地は、外観的にはとても閉鎖的であり、内部の様子が計り知れないようなプライバシーが守られたファサードになっております。しかし、一歩中に踏み込みと、約15帖程の大きさの中庭があり、その中庭に面した壁の全てがサッシュですので、どの時間帯でも光に包まれた空間となっております。
1階は合計17帖のLDK空間と6畳の和室。浴室、洗面脱衣、トイレなどの水回りと玄関。収納は随所に設けられ、常に片付いた生活が出来るよう工夫をした設計となっています。床は無塗装のヨーロピアンラーチで柔らかい雰囲気と、素足でも優しい素材をセレクトいたしました。
2階フロアーはプライベートゾーンとなり、マスターベットルームとウォークインクローゼット。そして将来的に二部屋に仕切れる設計になっている子供部屋とトイレ。子供部屋には造作でデスクも設けられており、コンパクトではありますが使い勝手の良いつくりとなっております。
外部からは想像もできないぐらいの、開放感たっぷりのH様邸。健やかにこの家と同じように美しい経年変化を刻んでいって欲しいと願っております。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(名古屋) 撮影: 加納準