T字路の真正面にあるきらきらのおうち。通常は閉じた外観はどちらかといえば冷たい印象を与えますが、こちらの家は温かみの薄い茶色を外壁に採用している為、あまり威圧感を感じさせません。夜の帰宅時には大きな四角の間にもうけた開口から、室内からの光が溢れ、まるで暖かく迎えてくれるようです。そう仰っていたご主人の言葉がとても印象に残っています。
まず玄関扉を開け入ると吹抜けのある玄関ホール。勾配天井で南側に大きな開口を設け、空しか見えない気持ちの良い窓が目に入ります。内部のパブリックスペースは中庭を中心にLDKを配置し、プライベート性を確保しつつ開放的なLDKとなっています。
リビングには薪ストーブを設け火を楽しみ、家族皆が集まりやすい空間となるように計画しました。実際に火を起こすと自然と皆が集まってくるそうで、これも薪ストーブの不思議な魅力の1つではないでしょうか。
全体の構成としましては1階にはLDKと水回り、主寝室を設け、将来的には1階で生活が足りるようにしています。主寝室と水回りは一層とし、南側隣家からの視線はカットし、LDKの吹抜けからは光だけを室内に取り入れます。2階には子供部屋とフリースペースと書斎とし基本的に個の要素を配置しています。LDKの壁や床の仕上げの一部はオーナー自ら施工したところもあります。ご自身で家に手を入れた事で、きっと更に愛着の湧く家となっている事でしょう。
設計監理: アイシーエー・アソシエィツ一級建築士事務所(名古屋) 撮影: 加納準