Vero Metal 「塗る金属」で広がる可能性


金属粉末によるコーティング技術

2017.03.23

Vero Metal 「塗る金属」で広がる可能性

今回のblogは、ドイツVeroMetal社の金属粉末によるコーティング技術を製品化した塗料、Vero Metalをご紹介します。Vero Metalは、95%以上が純粋な金属であるため、色合いはもちろん、 その感触や硬度もまさに金属そのもの。 塗装をする下地(素材)は木材、硝子、陶磁器、金属、プラスティック、コンクリート、ゴム、布、紙など…つまり、あらゆる素材に金属コーティングが可能という驚きの塗装です。

この製品を知ったのは知人の紹介です。その知人の仕事は、歴史のあるフローリング製造販売会社「IKUTA」の宮田さん。IKUTAと言えば最近、南青山にショールームを設け、まさにノリにノっている会社であります。

そんな彼が眼を輝かせて「佐々木さん!凄い塗装があります!」とサンプルを持ってきてくれたことから全てのストーリーが始まります。(大袈裟ですね)彼と同じように眼を輝かせながら「これは凄い!」とすぐさま紹介をして頂いた方が、製造元のドイツよりアジア圏のディストロヴューターとして輸入をされていらっしゃる「アイチ金属」の山田社長です。

この塗装の凄いのは、冒頭に申し上げましたが、95%以上が純粋な金属である事。鉄、ゴールド、シルバー、ブロンズ、アルミニウム、 ステンレス、真鍮、亜鉛、錫など、現在14種類の金属バリエーションがあり、 さまざまな加工処理を施すことが可能ということですが、まずは実際のモノを見ないと始まらないと、nu bldg.より車で30分程度のところにあるアイチ金属さんの名古屋市北区のオフィス兼工場を訪問してきました。

山田社長のとびきりの笑顔でお迎えをして頂き、色々な金属塗装のテクスチェアーや塗装下地を生かした施工方法のサンプルなどの説明を頂きながら拝見してきました。はっきり言って、日々色々な素材や製品を見る、自分で言うのも変ですが「眼が肥えた」僕の視点からもアメージングな世界観で非常に興味をそそりました。

Vero Metalは多様な金属で構成されていて、施工方法によって素材表面は、マット(無光沢)、サテン(半光沢)、ポリッシュ(光沢)、ハイポリッシュ(高光沢)、パターン(模様)と様々な仕上げが可能です。 さらにエイジング処理を施すことで経年変化した金属表面を演出することも可能ですので、下地選ばず、金属の種類のバリエーションも文句無し、それに表面加工にてさらに魅力的になることも凄く、今まで苦労して塗装を色々と実験してやっていたのは何だったのかと考えさせられます。

だだ褒めることばかりではありません。このVero Metalは、「塗装」というものの、塗装を施してから何度も磨く(研磨)作業工程の複雑さや、埃の立つ工事現場でのデリケートな作業性に問題が残るのと、一般素材より単価的に高いことも褒めることではありませんので記載します。(材工10万/平米〜)しかし、このVero Metalを壁面全体に施すこともありませんので、フォーカルポイント的なエレメントに限定的に使用することがスタンダードになるでしょうから、僕的には全く問題ではありませんが。

これから、このVero Metalを魅力的な部位にスペックできるようにこれから真剣に考えてみたいです。新築物件の内装や家具、リノベーションなら既存の建具や什器なども使えるでしょうね。まずはnu salonにVero Metalのサンプルを設置するところから始めますが。

余談ですが、この会社訪問の後、山田社長と東京の知人と三人で名古屋名物の「味仙」にて台湾料理を食べながらVero Metalについて食事をしながらミーティングをしましたが、あまりにも料理が辛かったので、僕の舌をコーティングしてもらったらよかったですね。…面白く無い終わり方ですみません。笑