千種区「鹿子町の家」既存建物の解体


築40年もの間 家族を守ってくれた建物とのお別れ

2020.04.17

千種区「鹿子町の家」既存建物の解体

ついにこの日がやってきました。家族に長く愛された建物とのお別れの日です。最初に敷地調査の際にこの建物を拝見した時に、あまりにも素晴らしい建物でしたので、お客様に「リノベーションでもいいんじゃやないですか?」と言ったぐらいです。

当時、お爺様(他界)と友人の建築家が、あーでもないこーでもないと議論を重ねて設計したことが理解できる個性溢れる建物でした。建物のみならず、中に残された品々も逸品揃いで、特にオーディオは真空管の素晴らしいメーカーのものでして、オーナーに必ずオーバーホールをして使いましょうと叫びそうになったぐらいです。

特に見所は、敷地の形状(複雑な形)に合わせた斜め壁の多いところと、玄関ホールにある、まるで上に誘われるような螺旋状のコンクリートの階段。洋行に行かれることが多かったお爺様が好まれたエスプリの効いた空間だと感じました。

現在、基本設計中の「鹿子町の家」です。この建物に情熱を傾けたお爺様と建築家に負けないような建物になるように頑張ります。写真)解体工事前2020.4.7