建築模型

2016.07.02

建築模型

さてさて、7月の中旬に着工する案件の最終形の模型ができあがりました。

この案件は限りある予算で限りあるスペースをいかに気持ちよくするかを一つのテーマにして進めてきました。外部への抜け感を効果的に設けつつ、シンプルな空間が実現します。

ここにくるまでスタディー模型をいくつも作ってきましたが、いい感じになりました。私たちは間取りを考えると同時に立体と空間を想像します。照明の設置位置と光りの広がり方。また、直射日光と間接光の入り方などありとあらゆることを考慮しながら、コンセプトを忠実に再現することで建物の基本計画ができあがります。ただ、それはあくまで想像の中でのことであって、実際の建物として実現した時に、本当に正しく表現できるのかを確かめることが必要です。目に見える形としての表現方法はCGやスケッチなど、いろいろありますが、それらはPCの設定や色の塗り方次第で印象を操作できてしまいます。ただ、模型はそうはいきません。

実際の建物の1/50で作られた模型は窓の大きさ、部屋の面積、通路の幅など、どんな表現ツールよりも空間が把握しやすいのです。もちろん、この段階で「なんだか違う・・」と判断して大幅な変更をすることは極まれにあります。いいんです。結局、実際の建物が最高のものになればいいんですから。

建築模型はお客様に空間を理解していただくための物でもありますが、私たち造り手が答え合わせをするツールでもあるわけです。
いくつものスタディー模型(検討模型)はお客様の目に触れることはありません。
私たちとして最良の答えを導き出すための経過はお客様にはあまり重要ではなく、
というより、不完全なものを見せたくないのですが、結果的に導き出したカタチがお客様にとって最高のものであればいいのです。

一案件を大切に時間をかけてじっくり検討するために、私たちにとって模型は無くてはならないものなのです。