週末はセカンドハウスで暮らす(第三話)


実際の物件にて考察

2022.09.17

週末はセカンドハウスで暮らす(第三話)

「週末はセカンドハウスで暮らす」シリーズのブログです。

第三話ではどのような建物をベースにすれば良いのか、リノベーションでどこまで出来るのかをご説明するということで、5月末にアップした二話から全く進展が無かったのには理由がありまして、まず「とても忙しい」という事と併せて、架空の建物や場所をベースにしてもリアリティーに欠けるのと、設計者である私自信が盛り上がらないので、現実の不動産情報の中で「これならありかな」と言う案件を待っていましたので、少しお時間を頂きました。

場所は三重県志摩市大王町船越の床面積18坪(60平米)のコンパクトな平家の建物です。

ここ大王町という場所は、三重県南部(南勢/伊勢志摩)、志摩半島の南東部に位置し、東海岸は太平洋、西海岸は英虞湾に面するところでして、大王町は町並みや灯台などの情緒ある美しいロケーションが多く、その風景を目当てに、絵描きがたくさん訪れることから、「絵描きの町」と呼ばれています。また大王町は、絵になる風景だけでなく、映画のロケ地にも選ばれたりもします。

名古屋から高速道路を利用して約3時間。距離としては175kmです。別荘までの理想は2時間程度だと思っているので、まあまあかと思いますが、道中の風景が素晴らしいので、さほど苦にならないと思います。

さて、建物の情報としては、平成元年(1989年)ですので築33年。木造在来工法の和瓦寄棟の和風建築です。インフラ情報は、電気、公営上水、公営下水(現在は簡易水洗)、プロパンガス、ネット環境は高速回線が整っています。

●スノームーンと大王崎灯台

北側に面する道路は5メートル幅員の公道。標高は24mの高台で、建蔽率、容積率は別荘地では珍しく60%、200%です。敷地面積は86坪(285平米)なので、仮に将来的に建て替えとなっても余裕です。

これをどう調理するかが今回の主題ではありますが、出来る限り既存のフォルムなどを上手く生かしたいと思います。全く比較にはなりませんが、あくまでイメージ的には「和モダン」で、同じ志摩市内にある超高級ラグジュアリーホテルの「AMAN」アマネムや「汀渚ばさら邸」の雰囲気でいければ最高かと…

◆AMAN(志摩市浜島町迫子)

◆汀渚ばさら邸(志摩市阿児町鵜方)

◆汀渚ばさら邸(志摩市阿児町鵜方)

そんな素晴らしいイメージをお伝えしておいて、現状の写真をご覧頂くのは、とてもギャップがあり辛いのですが、下の写真は不動産会社からの情報です。何の特徴も無い普通の小さな民家ですが、これが大きく変貌することになると思いますので、ご安心ください。

まずは、既存建物の構造体以外の全てを解体撤去致します。サッシュや外壁も床も天井も全てです。構造体(基礎、柱、梁)と屋根のみを残す感じとなりますので、完全なスケルトンでのリノベーションとなります。

残した構造体ですが、プラニング上、一部の柱を抜く事になるかと思いますので、構造の補強や制振ダンパーなどを設置し、安全性を一番に考えた建築にしたいと思います。

それと同時に、とても大事な要素である「水回り」ですが、元々の位置からプランニング上、移動する事になると思いますので、給排水管なども新設になります。電気配線もしかりです。断熱も現場発泡ウレタン吹付でしっかり気密性の高い断熱を施します。

という事で、初期の構想はそんな流れをベースにプランニングを行います。

ブログ1話としては文章量が長くなりましたので、続きは第四話にて詳しくご説明致します。次号は割と早いタイミングでアップできるよう頑張ります。下は大王町の町並みと波切漁港です。町としての歴史もあり、人情味のある素敵なところです。是非一度足をお運び頂きたいですね。

●大王町の町並み

●波切漁港

※ブログ内の風景写真は全て、三重県の風景写真を無料ダウンロードの「三重フォトギャラリー」より転写させて頂きました。