魅力あるエレメントパーツ スチールサッシ


窓枠に宿るマニアックなフェチ心

2017.02.24

魅力あるエレメントパーツ スチールサッシ

スチールサッシって心惹かれる響きがありません?窓枠の話です。一般的にはアルミ製のサッシですが、その他、木製サッシ樹脂サッシなどもあります。が、その中でもスチールサッシに一際関心があります。今までも、色んなスチールサッシを経験してきましたが、どれもそれぞれディテールを考え抜いてきました。

考えに考え抜いて、慎重に慎重に検討しすぎてしまった結果、超重たい窓になってしまったりしたこともありました。(実はアルミサッシはガラスの強度で支えているんだと、その後アルミサッシを分解してみたら解ったんですが…)予想外の水の流れで、雨上がりに窓を開けたら水が室内に侵入してしまって、大きな対策を取らなければならない時もありました。まさに苦労の連続です。その甲斐あって今があるといえばその通りですが、結構大変な思いをしたりしています。

そんな面倒をしてまで、なぜスチールサッシに惹かれるのでしょう。自分でもよくわかりません。重々しさ?端部の鋭さ?経年による劣化の美しさと儚さ?など、一応は言葉にすることもできますが、言葉にした時点で、その魅力から遠のくようにも感じてしまいます。

そんな曖昧な存在ではあるのに、結構スチールサッシはファンがいるようです。icaa名古屋のnu bldg.も、L型のアングルという部材を組み合わせた鉄窓ですが、これに結構反応されます。もちろんマイノリティーではありますが。

目に見えないもののほうが大切だったりすると、子どもの頃教わりましたが、言葉にできないものから生まれる共有のほうがより深いものなのかもしれません。建築はコミュニケーションから生まれるという風に思っている僕にとって、この感覚の共有は必須であります。