週末はセカンドハウスで暮らす(第四話)


どんな内容のリノベーションになるのか?

2022.09.25

週末はセカンドハウスで暮らす(第四話)

トップ写真は「ともやま公園」から見る夕陽に染まる英虞湾

今回のブログは第三話にてお話をしました志摩市大王町船越にある、実際販売中の案件をケーススタディとして基本的な考えをお伝えしましたが、今回はいよいよリノベーションの具体的な内容の最終回となります。

この建物は床面積18坪しかありませんので、増築工事をしない限り、1LDKの間取りとなると思います。敷地は広いですのでゲストルームが欲しい方は増築も良いかと思います。

つまり、増築をしないのであれば、この別荘はカップルユースまたはシングルユースの規模の建物となりますので、遊びに来られたゲストは、日中は別荘でゆっくり寛いで頂き、夜は近くに沢山あるホテルに宿泊をして頂くようなスタイルです。

LDKは最大限に大きく取り、最大で6人ぐらいは寛いで頂けるような空間にしたいと思います。4人掛けのダイニングテーブルとカウンター席2脚、3人掛けのソファー、暖炉の前にはラウンジチェアーという感じでしょうか。

●2DKを1LDKにリノベーションしたホテルライクな例

キッチンは、別荘にとってはレストランの厨房の役割を示すぐらい重要なポジションですので、調理風景が見え、作業性を上げるスタイルのアイランド型のオーダーキッチンを採用しました。バック収納は食材、食器、カトラリーなどは勿論のこと、別荘にとってマストアイテムの冷凍庫も設置できるようにします。本格的な料理をしたいなら業務用の厨房機器を導入するのもいいかもしれません。

リビングには薪ストーブを配置し、非日常性を演出するのと同時に、別荘全体がほんのりと暖かく快適な空間となります。

また、冬は薪ストーブの天板でシチューやカレー、ポトフなどの煮込み料理や庭で採れたブルーベリー、ラズベリーなどのジャムなど作ることも出来ます。炉内では芋や林檎を焼いても美味しいですね。

志摩は温暖な気候ですので、薪ストーブが無くても快適ではありますが、やはり別荘ですので必要という答えを出しました。薪ストーブを導入されたお客様から、薪ストーブを使いたいので「とても冬が待ち遠しい」いう話も多く頂いています。

●料理もできるESSE(英国)のクッキングストーブ

少し話を戻しますが、別荘はレストランの厨房の役割を示すと言う意味ですが、ここ志摩は海の幸は勿論のこと、肉、野菜、どれも新鮮で美味しい食材の宝庫です。伊勢海老、鮑、鮪、牡蠣、松坂牛、伊賀豚などの、美味しい食材を気軽に食べれることだけで、大袈裟な表現にはなりますが、この別荘を持つ「半分ぐらいの価値」があるのではと思っています。

それらの食材は近所の地元の魚屋、肉屋、勿論スーパーでも道の駅でも気軽に購入することが出来ます。全国的に有名な某スーパーでも伊勢海老や鮑が普通に売っていましたのでとても驚きました。

普段はキッチンで料理をし、偶に食べたくなる本格的なフレンチやイタリアン、和食、中華など、リゾート地である志摩だからこそ多くある高級リゾートホテルのレストランにてフォーマルな装いで食事に行くなんていうスタイルも優雅でいて格好良い「別荘暮らし」だと個人的には思いますし、是非そうして欲しいとの希望でもあります。

●三重県産の食材

さて、引き続き空間の説明です。主寝室はベッドが2台とナイトテーブルを置いたホテルスタイル。また壁面にはクローゼットを配置。水回りもコンパクトにオールインワンスタイル(トイレ・洗面・浴室が一体空間)で清潔感ある作りとします。

スペシャルな要素としては、この空間からテラスに直接出て、海を眺めながらジャグジーを楽しめるのも良いかと思います。

●キッチンとダイニングの関係

●薪ストーブとリビングの雰囲気

外装は、屋根は現状の日本瓦の屋根のままとし、テラス部分の屋根はシャープにエッジを効かせたガルバリウム鋼板で設け、外壁は焼杉の下見板張りです。

キッチン部分の開口部は出窓風にフレーミングにてシャープな印象を与えるのと同時に、レストランのような華やかな雰囲気を醸し出す演出的な要素もあります。

この建物の内装や外装の素材はいたってシンプルに考えています。外壁は1種類。床は主寝室のみ絨毯で、それ以外の床(テラスも)黒の玄昌石。室内の壁は漆喰と磁器質のタイルで構成。天井は既存の梁を剥き出しにします。

●既存の和のテイストを活かした和モダンなスタイル

言えることは、シンプルな空間構成でシンプルな材料だけに、その素材感や取付方(納まり)には丁寧さが求められ、施工精度に注意を払う必要があります。

皆さま如何でしたでしょうか。架空の別荘計画「週末はセカンドハウスで過ごす」企画でしたが、何となくイメージがしやすい内容だったのではないでしょうか。さて、とても気になるところのお話ですが、そうです「コスト」の話をいたします。

今回の売り物件の値段は650万円。リノベーション工事(外構・オーダーキッチンなど全て含む)で2,000万円。そして雑費や諸経費で300万。ザクっと経験値で見積もると約3,000万円程度になるのかと思います。

あくまで目安の金額ではありますが、高いのか安いのか、適正なのかはご覧いただいたお客様の価値観次第ではありますのでなんとも言えない金額です。

日本も欧米並みに休暇時間が多くなり、それに比例して余暇の楽しみ方の種類も増えてきました。コロナ禍ということもありますが、特にここ最近はキャンピングカーが人気があります。

しかし、欧米のようにセカンドハウスで過ごす習慣は、まだまだ一部の方となっているのが現状ですので、気持ちとお金に余裕のある方は是非、セカンドハウスを所有するのも人生を豊かにするひとつの選択肢となるでしょう。

鵜方マリーナ(志摩市阿児町鵜方)

今回は「週末はセカンドハウスで暮らす」と題して、四話にわたりお話をさせて頂きました。かなり個人的な見解で進めさせていただきましたので、あくまで参考としてお考えくださいませ。では、また機会がありましたら別荘の話でもしましょう。

最後までお読みいただきまして有難うございました。