僕が確か中学生の頃だったと思う。約36年ぐらい前、かつてない程のオーディオブームに沸いた時代があった。海外の高級ブランドはもとより国産専門メーカーや、これまで製造すらしていなかった家電メーカーもオーディオ事業に参戦し、スペックやデザイン、価格を争っていた。今のデジタル中心の時代から振り返ると何とも哀愁を帯びた内容の話になるが、今回は大好きなオーディオについて少し書きたいと思う。
そんなブームに乗り、中学生の僕も大人に負けまいと投げなしの小遣いを片手に色々と試行錯誤を繰り返す日々を過ごしていた。まず、最初に手掛けたのがスピーカー作りである。スピーカー作りといってもスピーカーの箱を作るといった方が正解かもしれない。当時、ホームセンターにもオーディオ自作コーナーがあり、そこでウーハー、ミッドレンジ、ツイーターを買い揃え、設計図を起こし、ベニヤ板を加工し、防音はグラスウールを充填して、自分なりに完璧なスピーカーを作った。父が自営の大工だったので、材料や道具は豊富にあったことも没頭することに油を注いだことになった。
次に手掛けたのがアンプ作りである。各端末を繋ぎ、それらのコントロールを専門にするのがプリアンプ。出力を専門にするのがパワーアンプ。それらを一体にしたのがプリメインアンプで、本格的なのはセパレートなプリ、パワーを分けたアンプ。