小さいからこそ最高の家(Vol.1)

2016.07.31

小さいからこそ最高の家(Vol.1)

小さいほうがいいに決まっている。玉手箱ではなくて「家」のはなし。

家づくりで「小さい」という言葉はすごくネガティブなイメージがあるのではなかろうか。リビング、ダイニング、寝室、子供部屋もお客様からはできるだけ広くとか、はじめは必要最小限でいいよ!とおっしゃていた方ももう少し広くできないかな、、とか。なんとなく「広いこと=良いこと」みたいな風潮がこの業界あるっぽい感じがする。それは「広い=居心地いい」というイメージがあるからで、いやいや、そんなことないんですよ~ という話を何回かに分けて書いてみよう。

近年ミニマルライフ(Minimal life)という言葉が巷で浸透してきている。一般的な定義では本当に必要なものだけで暮らす、というようなことだろう。ミニマルデザイン(Minimal Design)という言葉は昔からあって、使用頻度の少ない機能は排除して、よく使う機能を残してデザインするという意味合いであるが、ライフスタイルも様化するなかで、「ミニマル」という考え方がひとつのかたちとなりつつあるのだと思う。

例えば、洋服ひとつにしてもクローゼットの中に今シーズン着ていない服はないだろうか。今シーズン着ていないということは、来シーズンも着るはずないことは容易に想像できる。また、食器棚の中のグラスやカップなんかの食器類。家族の人数+来客用として数個あればいいと思うのだが、必要以上に買い込んではいないだろうか。こういった普段使わないものをとことん排除していくと、本当に必要なものだけが残る。一昔前に流行った「断遮離」ほど大げさなものではなく、その時々のライフスタイルに合せて、臨機応変に対応できるように周囲を身軽にしておこうという考え方。

一生で家を建てる機会なんて、ほとんどの人が一度きり、あっても二度ほど。後悔がないように、、という思いで広さや必要以上の機能を求めてしまう。その時々のライフスタイルに合わせてカスタムできる家、空間のつくりかた、本当に居心地良い家って、、

つづく