先回のブログ(プレゼンテーション長野)で少しだけお話をしましたが、サービステリアで出会った方と意気投合し、約1時間ぐらいお話をしました。その時の会話や、彼のライフスタイル、乗っている車から“人なり”が表れるとそう感じたので今回は、「乗り手から人生を感じた…」と題して、ややいつもより真面目に書きますので最後までお付き合いくださいませ。
写真の車はおわかりになりますか?そうです世界中の車好きのコレクターの憧れのDino(ディノ)です。イタリアの自動車メーカーであるフェラーリが製造した初のミッドシップ2座席スポーツカー。今日ではしばしば「フェラーリ・ディーノ」と呼ばれ、フェラーリのエンブレムを付けている車も多いですが、実は別ブランドとされているので正しくはフェラーリではありません。
Dinoと名前はフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリの長男で1956年に夭折したアルフレード・フェラーリ(愛称:ディーノ)から名前が付けられました。彼が病床でアイデアを出したとされる65度V型6気筒DOHCエンジンと既存であったV型12気筒エンジン搭載車と区別するため「ディーノ」ブランドが与えられた車です。
その名車に乗る、輝く笑顔の男性は、とても気さくでいて、非常に丁寧な言葉使いの紳士。会話の中で知った職業は54歳の歯科医。僕より4歳年上の裕福な方です。彼はこのDino以外にも日本で2台しか存在しないと言われるフランスの名車、バイクなど…沢山所有していて、どのマシーンも日頃からメンテナンスを欠かさないという、モノを非常に大切にする方だと会話から知りました。
メンテナンスと一言で言っても車が車だけに、誰でも治せるような代物ではありません。この車の構造や特徴などを知り尽くし、かつ今は亡き部品をも作る技術、情熱がなければ勤まりません。そんな彼の車に対する熱き思いを受け継いだ専門のメカニックと彼との二人三脚で、これらの名車達は輝きを失うことなく、これからもベストコンディションな状態で存在していくのかと胸が熱くなりました。
勿論、これらを維持するにはそれそうとの資本力が無ければ実現しません。しかし、資本力だけあったとしてもこのようなヴィンテージカーを買い、維持することは出来ません。多分、僕から見ると羨むような所得ではあると思いますが、その大半をこの子達に掛けている。そんな潔い趣味人のとしての風格を感じる方でした。
彼の周りには沢山の車好きの友達が集まってくるらしく、みんなが車を停めて食事をする場所を確保したいとの思いで、一反(約1,000平米)の敷地のある別荘を購入し、2台分のガレージを新たに設けてコミュニケーションをとって、車と同様に友達を大切にした暮らしを愉しんでいると。この後も車好きな趣味人が集まるというカフェに久しぶりに行くと、まるで少年のような屈託の無い笑顔で話されていました。
先の見えない社会情勢、不安という気持ちを少しでも柔らげる薬のような存在の「お金」 その貯蓄が増えると同時に失ってしまう“今を愉しむ”暮らし。どちらも大切なことなんだけど、いつ死ぬかわからない人生において、そのバランスは重要だと彼とたった1時間の会話から感じました。
家を持つということもまさしく同じ事が言えます。不便でも我慢をし、現状維持(生活基盤の安定)をひとまずの答えとするのか、将来の悲観的材料を割と楽観視し、今とこの先を豊かに暮らすのか…答えはありませんが、たった一回しか無い人生なので、僕は後者を常に選んだ人生をおくっていると思っていますが。笑