ガレージのある家

2016.11.09

ガレージのある家

先日、雑誌企画のプラン依頼がありプランニングと模型を製作しました。

内容は25坪程度の敷地に車1台分のビルトインガレージを持つという狭小住宅です。

仮想の敷地ではありますが、都市部では珍しくないリアルな敷地環境での計画に悪戦苦闘しつつも楽しみながら描かせていただきました。

趣味が車でガレージを持ちたいと言う方はたくさんいるかと思いますが、大きく分けて2種類のガレージの有り方があるのではないかと思います。1つ目は車のカスタマイズやメンテナンスを自身で行う、弄る系ガレージ。2つ目は車体の美しさを愛でる、眺める系ガレージ。

今回はそのうちの眺める系ガレージを想定し、どの角度で、どのような環境だと美しく見えるかを考えました。

通常、ビルトインガレージは完全に室内に納まり、雨、風を断ち切るイメージですが今回はそうではありません。一見、よくあるビルトインの外観ですが一歩足を踏み入れればそこは屋外、中庭とつながるガレージになっています。大きな木のある中庭からは午前から正午にかけて日の光が入り、木漏れ日が車体に落ちたり、陰影によってボディラインをより一層際立たせてくれます。車は屋外で使う道具ですから、外部環境下で最もその美しさを発揮するのではないでしょうか。だとすれば、このようなガレージの形もありうるかと思い、計画しました。

また、狭小敷地では面積が小さいため、必然的に部屋を縦方向に計画していくことになります。その為の動線となる階段が少しでも心地の良い場所になるよう階を上下するたびに、車体の後姿を俯瞰しながら眺める構成としました。

ガレージと生活の場を完全に切り離すことはせず、ゆるりとつながるプランです。これぞ、まさにガレージライフ。

11月19日発売の「ガレージのある家38」に掲載していただけるそうなので、ご興味ある方、書店でみかけた方は是非ご高覧ください。