今回はそのうちの眺める系ガレージを想定し、どの角度で、どのような環境だと美しく見えるかを考えました。
通常、ビルトインガレージは完全に室内に納まり、雨、風を断ち切るイメージですが今回はそうではありません。一見、よくあるビルトインの外観ですが一歩足を踏み入れればそこは屋外、中庭とつながるガレージになっています。大きな木のある中庭からは午前から正午にかけて日の光が入り、木漏れ日が車体に落ちたり、陰影によってボディラインをより一層際立たせてくれます。車は屋外で使う道具ですから、外部環境下で最もその美しさを発揮するのではないでしょうか。だとすれば、このようなガレージの形もありうるかと思い、計画しました。
また、狭小敷地では面積が小さいため、必然的に部屋を縦方向に計画していくことになります。その為の動線となる階段が少しでも心地の良い場所になるよう階を上下するたびに、車体の後姿を俯瞰しながら眺める構成としました。