伊勢ハンドワークベースのはじまり vol.2

2016.06.09

伊勢ハンドワークベースのはじまり vol.2

思い切ってストレート伊勢の古民家の購入について妻に相談してみた。

結果的に言うと、感触は悪くはなかった。生活拠点のほかにもう一つ偏ったくらいの場所を所有する面白さを、できるだけ淡々と説明をしたつもりだけど、きっと「この人はもうすでに心が決まっている…反対しようがない…」という気持ちだったに違いないとも思う。歴史的に見た伊勢の魅力、山間の古民家だからこそできる建築的な魅力、海までも遠くなく、夏の休暇における拠点としての魅力、などなど、饒舌に語る僕の話を夢は、半分だけ聞いていたのかもしれない。でも、最後は共感してくれた。そのことにも大きな嬉しさを感じることができた。

その後、当然、二人で現地に向かうことになった。そしたら、妻のテンションも上がった!それを見て僕のテンションもさらに上がった。この時点で榎本家としての購入意思は固まった。物事の決断なんて、振り返ってみると意外とあっけないのかもしれませんね。

次に考えないといけないのが資金について。金額的に安いと思ったのは確かだが、450万円は大金であるのは間違いないし、実際に、その金額はその金額は榎本家にはない…妻がコツコツと蓄えてくれたのは200万円ということが判明したので、250万円足りない。よしローンを組もう!人生初のローンを!賃貸アパート暮らしの僕が初めてのローンで別荘を購入するのも笑える。そして、金融機関へ相談しに行ったのだけれど、ことごとく拒否された。ほとんどの金融機関は、自らの住まう家の購入し対しての融資しか行わないらしいということが分かった。「セカンドハウスローン」なんてネーミングのローン商品もあったが、これは別荘購入の為のものではないらしい。戸建てを既に所有する人が、例えば、親が子へ、子が親へ家をプレゼントする時のためのローンという説明を受けた。これが事実かどうかはわからないけれど、そう言われた。

 

「そんなローンって世の中にあるのか!?あったとしても、それはセカンドハウスローンといえるのか?」とかなりの疑問を感じたが、借りる側がどれだけ納得がいかなくてもまるで関係がない。特殊ローンで有名なスルガ銀行やゆうちょ銀行も話を聞きに行ったけれど、金利が半端ない…。結果、苦渋の思いで、不動産会社にその旨を伝えた。

「お金が借りれそうもありません…あきらめるしかないようです…」と。

すると、予想外の、とんでもない言葉が返ってきた。

「確かにローンは難しそうですね~でもあれだけ気に入って貰っていたし、榎本さんのことは全く知らないわけじゃない…分割払いにしましょうか?」

「ぶ、分割?金利は?」

「別にいいですよ!」

ジャパネットのような条件で不動産が買えるのか?!と近年最大の驚きを隠せない僕だったけれど、持ち前の太々しさからか、直ぐにお願いした。

「なるべく月々を安くして、長期でお願いします…」

どうですか、かなり太々しいでしょ?(つづく…)