千種区「鹿子町の家」解体後の確認作業


広々とした高台の敷地

2020.04.24

千種区「鹿子町の家」解体後の確認作業

解体前のお祓いから約10日間。あっという間に建物が解体されました。

今日は、解体工事後の立会い確認をオーナー様、施工業者、設計事務所の三者にて行いました。いつも解体後の確認の際に感じることは、あれだけのボリュームの鉄筋コンクリート造の凝った建物でしたので当時に仕事の流れを考えると(約40年前)設計〜施工の期間は短く見積もっても約2年は必要だったのかと思います。 その長い期間のことを思うと、短時間で何もなかったようになる解体工事。とても複雑な心境になってしまいます。

時代が経過し、いずれ不必要ななる時が自分が設計した建物もやがて訪れてきます。建物は家族と共に成長をし、家族の思い出を作り、大切な家族と資産を守る。だからこそ「無」から「有」になる仕事をしている我々としては、建物が壊される一瞬前まで輝き、愛されるように設計をしていくのみです。

解体後の敷地

建物と敷地(解体前)

解体工事確認が終わりましたので、引き続き測量関係を迅速に行い、基本設計の終盤ですので工事業者に概算見積もり依頼、金額を確認していただき、実施設計への移行と、まだまだ設計作業は続きます。

トップ写真は、この敷地から程よい距離にある平和公園の新緑の樹々です。新型コロナウィルス感染症の影響で、自宅に篭もり気味の方の運動不足やストレス発散などで、とても公園が賑わっています。散歩をしていると、自然とすれ違い様に挨拶をしたり、少し距離を置いて立ち話をしたりと、社会全体の閉塞感により、人々のコミュニケーションもどこかに忘れてきたような感じですので、こういった人と人とのコミュニケーションが、とても嬉しく励みになると感じました。

早く収束し、この公園がもっともっと笑顔で溢れた人々で賑わうことを切に願うばかりです。