1/70の小さな世界


模型は建築設計事務所の要です。

2020.07.25

1/70の小さな世界

簡単に設計事務所の仕事の一部を説明しますと、まずは敷地の調査(現地・法的・行政など)を事前に行い、お客様とのヒアリング内容を打合せを幾度もなく繰り返しながらプランニング(基本設計)致します。

 そして、そのプランニング内容をヴィジュアル的に確認して頂き、次のステップである実施設計へと移行致します。

そのヴィジアル的な確認をどのようなツールで行うのが良いのかと、創業してから20年、試行錯誤をしながらやっています。以前はCG(コンピュータグラフィックス)や、そのCGを使って空間移動の出来るウォークスルー機能を使ったものや、模型など多種多様なカタチで表現してきました。

ここ昨今、ハウスメーカーや他社設計事務所でもCGを多く使う例が増えてきました。それはプランニングした図面のデータを CGソフトに流すことにより、合理的に製作が出来るメリットや、以前に比べてよりリアリティの高い表現が出来るするようになりましたので、とてもメリットも多のは事実ではありますが、逆にどの建物も同じような表現となるので、設計意図を全面的に出しにくいと感じたりもします。

弊社では現在、一番理解がしやすく、またそれらを使って更に頭の中のイメージを発達させる機能として、模型を確認作業に使っております。模型と一言でいっても実は色々な作り方があり、以前社内で作っていた方法として、スチレンボードを着色した紙を貼って作る着色スチレン模型というものでした。それらは特別専門的な道具は入らず、カッターとボンドとコピー機があれば作ることが出来ます。簡易的に出来る一方、精度は決して高くはなく、また熱や湿気による変形もあり、設計期間中ですらそのような現象が出ることもしばしば。

現在は、プロの建築模型専門会社に依頼をし、アクリル着色模型を作ってもらっています。スチレンボードと比較するとアクリル板はとても強く、また細かい部分の表現や色の再現などメリットが多く、リアリティもかなり実際に近いので、とても役に立っております。デメリットという訳ではありませんが、社外に委託するので経費がかかるという点ぐらいです。

弊社では現在、現場が3件。基本設計中が5件。これから設計に入る案件が3件と、有難いことにとても慌ただしく設計監理活動をさせて頂いております。基本設計がとても今多いので、先ずの目標として、この1/70の小さな建築をお客様に確認して頂き、実施設計に移行出来るよう頑張りたいですね。