志摩市「迫子の家」でのワーケーションは可能か!?


新しい日常のスタイルを目指して

2021.11.16

志摩市「迫子の家」でのワーケーションは可能か!?

以前にもお話しましたが、ワーケーションとは「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語で「workcation」と綴ります。

観光地やリゾート地でリモートワークを活用し、働きながら休暇をとる過ごし方です。働き方改革と新型コロナウィルス感染症の流行に伴い「新しい日常」の奨励の一環として位置づけられています。

メリットとして、喧噪や無機質な都市を離れ、通勤ラッシュからも解放され、豊かな自然環境や落ち着いた雰囲気の中で働くことで、創造性や生産性が高まり、有給休暇の取得率も高まります。

*敷地の下の海(舟置き場)

また、滞在地にとっても交流居住による人口の増加や、地元での消費に伴う経済振興に繋がるとして期待されています。しかし、一方で一般的なテレワーク同様に、仕事と休暇の線引きや、勤務時間の認定が難しいといった勤怠管理の課題や、会社サイドとしてテレビ会議などのシステムを整備するなどの設備投資面でのデメリットもあります。

従来のワーケーションはリゾートホテルや施設・設備を用意できる企業(会社所有など)と、社に所属する社員を中心に行われてきましたが、リゾートマンションやコンドミニアムの空き物件を抱える不動産業や民泊のような個人事業者が、フリーランスの方や自由が効く経営者などを対象とした施設提供への参入がここ最近とても増えています。

例えば、全国に点在する物件をサブスクリプション利用できるサービスをインターネットで提供する事業者が現れたりと活発な動きがあるようです。一方、別荘にも面白いニュースが遠くはフランスから届きました。

利用者はウェブサイトで宣伝されている家の中から別荘として使いたい家を選び、その1/3や1/8といった割合を購入します。購入者は他の共同所有者と建物の費用を割り勘し、所有率に合った日数をその家で過ごすことができるというシステムです。

*海外のリゾートハウス

割り当てられる日数は、慎重に設計されたアルゴリズムにより公平に計算されます。年間44泊分の宿泊権が与えられるとの事でして、これはフランスでの別荘の平均使用日数だそうです。いづれにしろ少なくとも約3,000万程の資金が必要となり、夢のまた夢のお話しでした。

さて、話を三重県志摩市の「迫子の家」に戻しましょう。この建物は通常時は別荘として、別荘利用外時はワーケーションも出来るレンタルヴィラとして計画されました。

設備としては、ワーケーションには絶対不可欠な高速インターネット回線を通し、仕事場である書斎からは海を見下ろす環境。キッチンは5口ガスコンロとコンベンションオープン、コールドテーブル(冷蔵庫)、冷凍庫を備えた厨房を設置。

寝室はセミダブルベッドが2台のホテルスタイル。サニタリーはバス、パウダー、トイレと一体となったオールインワンスタイル。

オープンキッチンの前のモルタル塗りのカウンターに座って、地元産の美味しい料理を味わう事もできます。イタリア製のヴィンテージソファーの前には薪ストーブが置かれ、炎を眺めながらスコッチを一杯なんて粋な過ごし方も出来ます。

*吹抜けより見下ろす

これでもかと言うぐらい理想的なスタイルを形(DIYローコストで)にしましたので、ここでは紹介できないぐらい盛り沢山です。

と言うことで「迫子の家」をワーケーションとして利用するとなると、かなりの誘惑に勝たなければ多分、仕事にならないかも知れません。

*キッチンとダイニングカウンター

例えば、書斎で仕事をしている時に、家族が庭で伊勢海老やサザエ、松坂牛などの地元食材でバーベキューしていたり、薪ストーブの前で淹れたての珈琲を飲みながら音楽を聴いているなんて空間で、ひたすら仕事に集中できるなら、かなりの強者だと思います。

誘惑だらけの空間と環境ですので、それを我慢して仕事するという事は、精神的に大変悪いので、この場所はワーケーションでは無く、純粋にバケーションスペースとして利用かと個人的には思いました。

夕方から夜にかけ特に素敵な「迫子の家」です。沈みつつある太陽が海を染め、時間と共に深い紺碧色になり陽が完全に沈むと頭上には輝く星達。

やはり、ここでは仕事を忘れ、超リラックスした状態で自然を楽しんで頂くのが一番のようですね。