11月19日は会社設立記念日


2001年に個人から法人化20年

2021.11.20

11月19日は会社設立記念日

弊社の創業は2000年の5月。名古屋市中区のマンションの小さな一室からスタートしました。と言いましたが、実はその時点でマンションの近くの古いビルを一棟借切り、1階はCAFE、2階はヘアサロン、3階に建築設計事務所というスタイルでの運営は決めていましたので、準備室としての1年半を狭い部屋で過ごしました。

その準備も着々と進み、オープン前の2001年11月19日に晴れて法人となりました。

当時のスタッフは私も含めて総勢6名。カフェ担当が3名、建築設計担当が3名、しっかりとした職務体制では無く、建築設計スタッフがランチ時には応援にCAFEに入ったり、CAFEスタッフも建築の手伝いをしたりと、毎日がとても忙しく活気があり、夢を追う若いパワーで勢いづいていました。

毎年、この日を迎えるといつもですが、まるで昨日のように当時のスタッフや店の雰囲気、匂いまで蘇ってきて懐かしい思いで胸がはちきれそうになります。

建築設計事務所としての忙しさは、会社法人となって2年ぐらい経つまで安定した仕事の依頼も無く、建築設計スタッフの仕事はCAFEの仕込みと美味い珈琲の淹れ方や格好いいエスプレッソマシーンの使い方など、まったく建築とは関係のない仕事ばかり。

退去時に撮影した写真

大学の建築学科や建築専門学校を卒業して入社してくれた子には申し訳ない思いで過ごしていましたが、建築に対する情熱を下げないよう、当時はこのような話を若いスタッフに毎日していました。(私自身も30前半でしたが)

「建築と料理は一緒である」と。

与えられた素材をどう料理をするのか、それを綺麗に盛り付けをして、視覚的に味覚的に美味しい料理を作るというプロセスは、建築も全く同じ。

自分自身の考えや個性、技術を最大限に使って、皆が驚くほどの料理を作ろうではないかと言っていました。その料理はお客様に提供する料理では無く、あくまで賄い料理のことですが。

6人分の賄い料理の予算はたった500円。(300円の時もありましたが途中で値上げをしました)一人当たりたったの80円ちょいです。この金額はあくまでオカズとしての材料代で、お米やパンなどは含まれていません。低予算でしたが、意外と色々な料理が出来ました。

今も使い続けているエスプレッソマシーン

ライスと卵と肉の切れ端を入れて焼いたピカタや、クズ野菜で作ったミネストローネ、これまたクズ野菜と鶏肉のシチューなど、暇さえさればメニューを考えている日々でした。その考えは継続しており、今でも暇な時間があると自分自身が作りたい料理をスケッチブックに描いてしまいます。

その後、設計依頼が増え、それに伴いスタッフも増え、名古屋市内の長者町にセカンドオフィスを設け、さらに横浜スタジオ、静岡スタジオと毎日忙しく駆け巡っていました。

若いスタッフも成長をし、資格も取得し私が歩んだ道である「独立」を目指し、沢山いたスタッフも徐々に退社をしていきました。

人は人である以上、その人の代りなんて居ません。

​エビスアーキテクトスタジオ(長者町支店)

新しいスタッフを入れても、その子のポテンシャルが発揮出来るような環境と仕事内容を与えなければ、存分に発揮できません。

格好をつけた言い方になりますが、社員の確保=会社の安定といった経営者の考えでは無く、スタッフの退社入社などは自然の流れに任せていました。

これからの先の事に関しても、いつまでにこうしたいとか考えていなくて、これまた自然の流れに従いたいと考えています。

自分ではまだまだ認めてはいませんが、残念ながら年齢と共に気力や体力、記憶力など衰えてきます。

勝手な希望だけを言うと、自分の時間と仕事のバランスが取れたスタイルで建築を長く続けていきたいとの思いです。

nu bldg.(nu salon)

会社設立記念日のblogという事で、いつものblogより長く、感情を出した内容になりましたが、これからもどうぞよろしくお願い致します。

最後までお読み頂きありがとうございました。