建築表現手法はCG?スケッチ?


建築家の脳の中身を表現する

2016.07.06

建築表現手法はCG?スケッチ?

現在、基本設計中の複数件と向き合いながら設計活動をしております佐々木です。先日、契約後初のご提案をさせていただいた富山県高岡市の「泉の家」のオーナー様からヒアリングを頂き、その内容を基本案の中にどこまで組み込めるのかを精査していますが、その再構築した案をどのように表現すべきかを考えています。

今でこそ会社では高性能なCG(コンピュータグラフィック)ソフトを導入し、かなりリアルに図面から起こした架空空間を表現することが出来ます。しかも早い。と聞くと素晴らしいと思えますが、実はそうでも無い部分も多く、設計者としては頭を悩ませています。

つまり、CGはコンピュータで製作するので、決まっていない部分は当然反映されません。例えば、屋根のデザインの一部を悩んでいたとしましょう。手描きのスケッチであれば、何となく線で誤魔化すことも可能ですが、CGはそうはいきません。

全て形状や色や質感まで決まっていないと入力できないので、この時点では(基本案を構築している初期段階)適当にならざるを得ません。それはそれで良いのですが、実は問題はこの完成したCGをお客様がご覧になってからなんです。

まるで実際に建っているように表現されたCGをご覧になり、全ての情報がこの一枚に凝縮しているので、完璧であると思い込んでしまうことです。僕が悩んで指示がなかった部分を弊社のパーサー(パースを描く人間)の榎本が上手く調整をし、いかにも実際のように作りこむ。でも、実際僕は悩んでいる・・・

その悩みを解決して、いざ再び提案するとなると、以前に提案したCGのインパクトがあまりにも強くて、自分が考えた案でありながら、その設計者の案を越えるハードルが意外と高く、その表現方法が正しいとか否か考えてしまうという訳です。

ありがたい筈のCGがこんなにも自分自身を苦しめるツールとは使うまでは考えもしませんでした。(かなり大袈裟ですが)

「造園家の家」スケッチ「泉の家」テラス CG「泉の家」緑のアプローチ CG

やはり、白いスケッチブックにお気に入りのボールペンと色鉛筆で空気をなぞりながら空想妄想に耽りながら描くのが僕にはいのかな・・・

さて、これからプレゼンテーション及び基本案再提案のお客様。スケッチかCGかのどちらで提案を受けるのかを楽しみにしてくださいね。じゃあ