※左は新模型/右は旧模型
かれこれどれぐらいの時間が経過したのか、随分と長い設計期間をいただいております名東区「平和が丘の家」です。
当初は地下は鉄筋コンクリート造に木造在来工法を2層重ねる建築でしたが、プランの打合せを進めていくうちに、木造建築の限界(壁量や梁間スパンなど)となり、構造体を全て鉄筋コンクリート造にする案となり設計を進めていましたが、元々のボリュームより面積が大きくなり、更に構造体コストも上がるので、当初の予算計画よりも大幅な金額増となった為、振り出しに戻り設計を進めております。
間取り(平面計画)は鉄筋コンクリート案ですので、それを木造構造に置き換え、寸法も尺モジュールに組み替えたりと色々と調整を行いました。
ほぼ平面図は確定しましたので、いよいと外観デザインの最終の取りまとめとなり、外観スケッチをベースに本件2度目の建築模型を製作しました。
ファサードのデザインは、とても閉鎖的でクールな顔です。素材はSOLIDと木調ルーバー、それに色を合わせたシャッターと軒天材。そしてコンクリート打放しの構成です。鉄筋コンクリートの部分が鋭角にオーバーハングし、その上に木造部分が載る感じでして、見る角度によっては、まるで鋭利な刃物のようなシャープなエッジの効いたデザインとなります。
※スケッチと模型の比較
模型を人間の目線に合わせながら、色々とデザイン検討をしております。このような設計シーンにおいては「CG」よりも「模型」の方が役立ちます。建物を東西南北の方角に合わせると、その場で光の入り方が確認できますので、開口部の寸法検討する材料にもなります。
設計をする上で、何から始めるのですか?とお客様から聞かれます。当然ですが、生活のしやすさ、動線、部屋の大きさ、部屋と部屋の関係など平面図が一番大事ですので、平面図から考えることになりますが、そう単純では無いことが多く、法規制により高さ制限などがある場合は、並行して断面も考えることになります。
外観のデザインは、平面を考えながら、何となくのイメージを何枚も何枚もスケッチを描きながら確認し進めますが、本格的な立面は平面図確定後に進める設計スタイルとなります。(設計事務所による設計スタイルの違いがあるので、これが正解とかでは無い)
素材などはスケッチの段階でお客様と打ち合わせでイメージの確認をしますので、模型製作後で素材が変更するというはあまりなく、どちかというと工務店の見積りでのVE(減額案)で多少の変更が生じる場合もあります。
※歩道から見上げたアングル
今回のブログは、世の中に建築を誕生させるという事は、こういったスキームで建物のプランやデザインが決まっていくという話でした。ハウスメーカや企画住宅とは異なり、お客様一人一人の家づくりですので、お客様にとっても、時間やエネルギーが必要になるかと思いますが、納得を大事にされるなら建築設計事務所での家づくりをお薦め致します。