新しいライフスタイルの到来か…


志摩市にて諸々の調査など

2022.03.04

新しいライフスタイルの到来か…

機会がある毎に、別荘建築の魅力や、都市とリゾートとの二極化の拠点であるウィークエンドハウスのご提案などをさせて頂いています。その影響なのかどうかは別として、これから土地取得〜別荘を希望されていらっしゃるお客様との打合せの前に三重県の志摩市にて諸々の調査を行いました。

今回のミッションは二つ。まずは、別荘建築(使わない時はホテル旅館業法に則った宿泊施設用途にて貸し出し)の要であります候補地の視察と、それらを建築する上で必要となる法律などのルールの下調べです。

リゾート用途の別荘ですので、一番大事なのはロケーションです。しかし、素晴らしいロケーションのところの多くは敷地に行くアクセスが悪く、細い道で両側から樹々が覆い被さるようなところもあり、しっかりその辺りのチェックも大事になります。

今回のご提案する敷地は、入江に面するとても静かなロケーションです。森と目の前の海、そしてゴルフ場の芝生しか目に入らない、とてもひっそりとしたプライベート感満載の素晴らしい敷地です。

敷地周辺には民家など一切無く、逆に夜などは怖くなるぐらいの静けさだと感じましたが、それも別荘の魅力の一つですので良しとしましょう。

肝心の敷地までのアクセスですが、この手のロケーションとしては、とても珍しくアスファルト舗装がされている綺麗な道路です。極端なカーブや高低差も無く、車高の低いスポーツカーでも乗り入れ大丈夫な感じでしたので安心しました。

志摩は伊勢志摩国立公園に指定されていますので、建築基準法だけでは無い、志摩ならではのルールが色々とあります。更に、ホテル旅館業法の許認可となると、保健所や水質汚濁防止法、消防設備など諸々の申請の流れが必要となるようです。この豊かな環境を守る上で当然必要な流れです。

そして、次のミッションは上の話の真逆で、持っている敷地を売却をしたとの相談(弊社のお客様)を受けて視察にやってきたという次第です。

売却の話だけですと、不動産会社に行って頂くのが筋ではありますが、敷地を見てそれが良ければ違う展開が計れるのでは?と私なりに考えての行動です。場所は志摩市の隣の南伊勢町で、高度成長期の時代に別荘地開発をされたであろうと予想される場所でした。

かなり広大な別荘地をグルグルと車で周りましたが、別荘地の住所は登記の住所ではなく、別荘地の区画ブロックの番号なので、カーナビも使えません。ですので目的地を探すのがとても苦労しました。(実際目的地だったのかはわかりませんが)

この別荘地全体に言えるのが、すべの土地が急斜面な事です。角度で言うと45°〜60°近く、全ての家が鉄骨やコンクリートで基礎から柱脚のフレーム組みをして、その上に建物を設ける家ばかりです。

この時点の判断で、建築コストがとても高いものになりますので「無いな」と思いましたが、そのコストを度返ししてでも建てたくなるような魅力がこの場所には無いかと色々と探しました。

まず海の見え方です。樹木に遮られて樹々の間から少し見えるぐらいなので、そう魅力的ではありません。それだけでは無く、この別荘地の管理体制があまりにも独裁的なシステムのようで、例えば工事をするなら道路補修、維持管理費を事前に建築ボリュームに対して払うルールです。

不動産の仲介も管理会社以外のところでやる場合は、違う名目で色々とお金が必要となるようで、開発会社(管理は子会社)の独占のような体制ですので、げんなりしました。

お客様には、売るに売れない別荘地の典型的なパターンである事は説明しましたが、別荘建築を提案する立場としては、何か言葉では表現できなような複雑な感覚を持ちました。「美しい自然の風景」とは真逆な、「複雑で汚い利害関係」というのでしょうか。

別荘を持つなら、一般地か元別荘地(管理会社が倒産した旧別荘地)が良いと思います。近いうちにブログで、それらの詳しいお話もしたいと思います。