現場監理(平和が丘の家)

2016.07.08

現場監理(平和が丘の家)

いよいよ残り2週間を切った名古屋市名東区にて工事中の「平和が丘の家」からです。この建物は前面道路側に店舗、奥に2階建ての住宅からなる併用住宅で計画しました。当初は名古屋では無く九州で計画をする予定でした。二度ほど九州に現地調査と役所確認に行きましたが色々な諸事情があり名古屋となった経緯があります。そんな少し前の出来事を笑みながら監理をしております。しかし、北九州のアーケードで食べた豚骨ラーメンが美味かったので、あと一回は行きたかったという話しは止めておきましょう。笑

さて、今回の計画のコンセプトや現場での作業などを今日はお話します。多分、8月中ぐらいには完成写真を皆様にご覧頂けると思いますが、ただ綺麗な写真だけではなく、このようなプロセスがあったという事を頭に入れて見て頂ければ、より深く感じると思いますのでアップします。

近隣に住宅地を控える、メインロード沿いの敷地は、交通の便は良いものの両サイドは3階建ての建物に挟まれた、住宅を計画する上では決して良いとは思えない条件ではありますが、それを逆手に考えて、この前を通ると少し空気感が違うなと感じさせるような、まるでポケットパークのような雰囲気にならないかと考えました。

全面道路に面する店舗部分は平屋建てで、鋭くエッジが効いたシャープな印象になるようH鋼に見立てた板金を屋根の先端に回し、サッシュは鉄のL形アングルを組んで作りました。そのシャープさを少し和らげ、もともと建っていたかのように自然に映り、ノスタルジーを感じるようにする為に、佐々木がよく採用するヴィンテージ煉瓦と軒は木を組み合わせました。

ヴィンテージ煉瓦は思っていたより、やや白見がかっていたので、現場にて黒を混ぜた塗装(何度も実験をした)を刷毛で塗装した上で、自然に馴染むようペーパーをあてました。(写真は施工前)

店舗の床もこれまた佐々木仕様のモルタル金鏝押さえの墨汁塗装です。マーブル模様(いい具合の斑加減)が味わい深い空間のアクセントになるでしょうね。

住宅部分に関しては、壁からキャンティレバーで持ち出された鉄の階段。実は我が家をご覧になられたオーナー様の希望でこうなったという訳です。ちなみに我が家の同じようなディティールや素材はこれだけでは無くかなりあります。ですから現場に来ると我が家に戻ってきたように感じてしまうのは仕方ありませんね。笑

大きなリビングは、これまた外壁と同様にヴィンテージ煉瓦がバルコニーの壁まで連続的に張られ、内外一体となったテクスチャーとなっています。

天井は正方形にカットされたシナベニヤの柾目を縦横と交互に張り、ウォールナット色に塗装をしたものを採用しました。壁は繊維ファイバー配合のモルタル金鏝押さえ。(写真)木とグレーシュな空間になります。そして、キッチンの床はかなりバタ臭いイタリア産のタイルとし、当然オーダーキッチンを採用。あれこれ言葉で書きましたので、頭の中で色々と想像をして頂くとして、8月中ぐらいにアップする完成写真がアップした時を是非楽しみにして頂きたいですね。

さて、来週からいよいよ中庭の植栽工事と、アプローチ&駐車場スペースの石敷き込み工事です。店舗の墨汁塗装、石敷き込み工事の応援に行かないといけませんので、今のうちに出張続きで疲れた体を休めて最後の仕上げに備えたいと思います。ではまた!